中学生になると、「内申書」や「内申点」といった言葉を耳にします。この内申書は、中学校での成績や学校生活全体の評価をまとめた書類で、高校受験における判断材料となる大切なものです。
また内申点も受験に大きく影響します。それならば、「どうやって良い内申点を出すの?」と気になるでしょう。 そこで今回は、内申点の計算方法と点数を上げるための6つの方法についてお伝えします。
高校受験の「内申点」とは?
中学校の成績や学校生活についてまとめた書類を「内申書」や「調査書」と言います。この内申書や調査書に、各教科の成績を点数化して記載されたものが「内申点」です。 内申点は、通知書の5段階の評定×9教科(45点満点)の数値で出されます。内申書は高校受験の合否を判断する重要な書類であり、定期テストの成績のほかにも、授業態度や出席日数などが含まれます。 内申点は、各学年の年度末(3月)の成績が記載されますが、受験年である中学3年生は、3学期制と2学期制で付け方が異なるため注意が必要です。3学期制では2学期まで、2学期制では後期の中間テストまでが記載されます。 中学3年生の内申点は年度末ではありません。入試直前に頑張ろうと思っても間に合わないので注意してください。
都道府県によって内申点の出し方は異なる
内申点ですが、実は都道府県によって出し方が異なります。例えば、埼玉県や千葉県は1〜3年生すべての学年が対象ですが、東京都は3年生の評定が対象です。自分の住んでいる地域が、どのように内申点を出しているか確認しておきましょう。 ここで注意したいのが、対象の学年だけ頑張れば良いという思い込みです。3年生が評価対象の都道府県でも、1・2年生から勉強を習慣づけましょう。なぜなら3年生になってから頑張ろうとしても、勉強が習慣になっていないと学習した内容が定着しづらい傾向にあるからです。高校受験における内申点の計算方法
内申点はどのように計算されるのでしょうか。ここでは、東京都と神奈川県を例に、内申点の計算方法をご紹介します。都立高校 での内申点の計算方法
東京都の内申点は、一般入試・推薦入試ともに3年生2学期の成績が対象です。一般入試では、学力試験:内申点=7:3】の比率で、学力試験700点、内申点300点満点の合計1000点で計算されます。 主要5教科はそのままの点数ですが、実技4教科については2倍になります。 実際に、Aさんの成績をもとに内申点を計算してみましょう。 ①主要5教科の評定4(国語)+4(数字)+4(理科)+4(社会)+4(英語)=20点 ②実技4教科の評定
4(音楽)+4(保健体育)+4(美術)+4(技術)×2=32点 20点(①)+32点(②)=52点が9教科の評定の合計点です。評定の満点は65点となり、内申点は300点満点だと計算します。 そうすると【300×52÷65=240点】となるため、Aさんの内申点は240点です。なお、小数点以下は切り捨てされます。 ※2023年12月時点 引用元:東京都教育委員会
神奈川県立高校での内申点の計算方法
神奈川県の内申点 は、2・3年生が対象学年です。2・3年生の9教科を5段階評価して点数化しますが、ここでのポイントは、3年生の成績が2倍になる点です。 神奈川県の内申点の出し方は、以下のとおりです。 ①2年生の評定・・・【5段階の評定×9教科=45点満点】②3年生の評定・・・【5段階の評定×9教科×2=90点満点
③【①+②】=135点満点 なお、神奈川県の入試では、1回の学力検査をもとに2回に分けて選考が行われます。第1次選考で募集定員の90%が決まり、第2次選考で残りの10%が決まります。第1次選考では、内申書、学力検査、特色検査(実施の場合)で合否が決まりますが、第2次選考では第3学年の内申書における「主体的に学習に取り組む態度」が27点満点で算出され、5科目の合計点数に加味して選考が行われます。 ただし、選考比率や志望校によって異なるので、あらかじめ志望校の情報を調べておきましょう。 ※2023年12月時点 引用元:神奈川県
内申点を上げるための6つの方法
内申点は高校入試の合否に関わるものです。志望校に合格するためには、内申点を上げる必要があります。 ここでは、内申書を上げる6つの方法をご紹介していきましょう。- 定期試験(中間考査・期末考査)で高得点をとる
- 遅刻・欠席をしない
- 授業態度を良くする
- 課題を期日までに提出する
- 課題の質を上げる
- 正しい塾選びをする